催眠、妄想と幻覚による知性の仮想化技術 (Virtualisation Technology of an Intelligence Using Hypnosis, Illusion, and Hallucination)

催眠、妄想と幻覚による知性の仮想化技術 (Virtualisation Technology of an Intelligence Using Hypnosis, Illusion, and Hallucination)



さいきん一人暮らしをはじめました。


誰かと一緒に暮らさなくていいということは、怒られる心配が減るということ。

自分でも気づいていなかった心理的ストレスの大部分が取り除かれたようです。

バイトをやめたことも相まってとても精神的に楽な暮らしをしています。


いままでの辛さや苦しさはなんだったんだ。



一人で誰も入ってこれない自分の部屋にいると、常に麻薬がでているような気分です。

宙に浮かぶような気持ちです。

ふわふわ、ふわふわ。ずーっと、多幸感がそこにあり、持続している。いままでに味わったことのない状態にあります。



去年、あれだけ飲みたかった酒、飲んでも飲み足りなかった酒、いまも冷蔵庫に入っている酒。

ほとんど飲まなくなりました。わざわざ酒を飲まなくても、気持ちがいいのです。


そして、なにかツマミと一緒にビールでも飲むと、これもまたとても気持ちがいい。

酒が、苦痛から逃れるための快楽から、たまに娯楽として嗜む快楽へと変わりました。



友達と会話するときも、前よりも明るくなった気がします。

前よりも、自然に、深く考えずとも、友達を大事にすることができるようになりました。

いまだにいろいろな理由で苦しみながら生活している、ツイッターの友達に申し訳なくなってきます。



でも、引っ越しして、一人暮らしを始めたからと言って、すべてがきれいに解決されたわけではありません。

生きている限りは問題があるのです。


未だかつてないほどに、女性への恐怖を自覚しています。


女性としてすこしでも意識してしまった人の目を見てしゃべることができないのは前からですが、最近はその範囲が広がっているのです。



大学に入ってから、男友達とばかりつるんでいたのもまずかったのでしょう。



風俗で大失敗したのもまずかったのでしょう。



ぼくはいままでよりも童貞性が強まったのです。



それでも、つい最近までは、まともに若い女性としゃべれないだけで、それが女性への恐怖だとは思っていませんでした。

自分は照れているだけだと思っていました。

でも、いまのぼくは、女性への恐怖をはっきりと自覚してしまったのです。



おとといのことです。

友達と一緒に、食べ物の出店が集まるマーケットに行きました。

夕飯を四人ぐらいで食べた後、トランプのゲームをしました。


ビリになった人は罰ゲームを受けることになりました。


ぼくの隣の男がビリになったので、そいつは出身が同じだが面識のない同期生の女の子にメールを送らせられました。

おもしろがって、ぼくもやいのやいのと騒ぎたてます。


次のゲーム。

ぼくがビリになってしまいました。

ぼくが罰ゲームを受ける番です。


一位になったやつが、あそこの女の子に声をかけてこいよ、と言い出しました。


ぼくはいつもどおり、そういうの無理なんだ、と、シャイな童貞という自虐ネタの冗談を言ってかわしていました。

でも、みんなの勢いはおさまりません。


本気で嫌だなと思いはじめました。



しかし、どうにもごまかせない雰囲気になったので、いやいや立ち上がりました。


あそこのお姉さんに声をかけてこいよ。電話番号聞かなくていいんだぜ、ただ「きみかわいいね」って言えばいいだけだぞ。

いい感じになっちゃうかもしれないじゃん。がんばって。やってみればできるよ。


ぼくにはそれらがとても重い言葉に感じられました。

体が引っ張られて重くなります。

ふわふわの多幸感が、鉛のような、つめたい腹痛になりました。

不安です。


人でごった返す屋台の間をあてもなくふらふら歩きます。





店員さんに話しかけるのならできるかな。



無理でした。

もうすべてがコンクリートの壁でしかありません。

冷たい、対話のしようがない壁です。



見かねた友達が、一人駆け寄ってきました。


「あそこに座ってる子に、トイレの場所を聞け。それだけでいいからさ、なっ」


でも、そしたら、その子の彼氏がやってきて、ぼくは殴られて死んでしまいます。

その時は、本当に、絶対そうなると思いました。



「そんなわけないじゃん。ほら、声かけて」




無理でした。ぼくは殴られるのが嫌いだからです。







そのあと、二人でマーケットをしばらく歩きましたが、ぼくはふさぎこむばかりで、何もできませんでした。


みんなのところに戻り、おどけて説明します。


「できなかったけど、これはしょうがないことなんだ。だってぼくは本当にヤバいやつだから。あははは」




「うん、いや、大丈夫だよ。気にしないで」


みんなの温度が急速に下がっていきました。

急に優しくなったのです。
まるでぼくが本当にやばいヤツかのように。


はっとしました。
そうだ。ぼくは本当にヤバいヤツなんだ。
急にぼくも冷静になり、自分の行動のおかしさに気づきました。


普通なら、知らない女の子に声をかけるのぐらいどうだっていいのです。

いやだなー、と言いつつ、ぱっと終わらせて、笑いに変えて、場を盛り下げず、次に行くのです。


それをぼくは、こんなに顔を青くして、腹までおさえてうつむいている。

みんなが白けて当然です。

だって、これじゃまるで、本当に女の人が怖いやつみたい───。


恐ろしくなりました。

自分の中にある、女性と話すこと、女性そのものに対しての恐怖心。

それがはっきりと形になって現れたのです。





帰り道。しみじみと反芻していました。


大学入ったら彼女がなんとなくでできるかなという期待。

去年、バイト先の女の人に何にも感じず話しかけていたこと。

それによって築かれていた脆く醜い自信。



すべてなくなりました。

なくなったことに気づいたとき、これらはなくなるからです。





そして、女性に恐怖を抱いている自分がいました。

ツイッターなどで回ってくるかわいい女の子の絵を見るとき、一瞬手が止まります。

あれ?これは女の子じゃないか。じゃあ、ぼくは否定されてしまうな。逃げたいな。どうしよう。




そう考えている自分を客観視すると、ああ、いままで茶化してはいたけど、本当にぼくは終わりかもしれないな、と思います。




いままで、おれは終わっている終わっていると自虐して冗談にしていても、実は本気でなかったのでしょう。

そのうち結婚も普通にできるんじゃないかな。なんとなくそう思っていました。





いまはもう違います。

ぼくは本当にダメです。

ごめんなさい。







というわけで、ここからがこの記事の本題。

記事の題名はつまり、妄想の彼女をつくってみようよ、ということです。

ぼくは昔から、妄想のなかに自分を落とし込むのが苦手でした。

妄想はするのですが、その中に自分はいないのです。


あと、女の子を妄想するのも苦手です。

ぼくと会話する人はみな誤解するのですが、ぼくは想像力に乏しい人間です。なにも思いつかないのです。


ここで転機が訪れます。

一人暮らしで自由な時間がふえたので、催眠オナニーをはじめたのです。

催眠オナニーとは、女の子がしゃべっている音声によって催眠状態に入り、それによって性的快感を得る文化です。

本気にしていなかったのですが、いざやってみると没入感がすごく、深い催眠状態に入り、快楽を得ました。


ステレオ録音を駆使して、両方から女の子が離れたり近づいたりして、ぼくに話しかけるのがわかりました。

そして、彼女たちの命令に従うと、とても気持ちがいいのです。


これを繰り返すうちに変化が現れました。

ぼくにも、女の子が妄想できるようになったのです。


いまさっき、この記事を書くにあたって、確認として一回やってみたのですが、本当に見えるのです。


右手をカーソルにして動かすと、紫色の髪の女の子、いたずらっぽい表情の女の子が、宙にういているそのこが、まるで3DCGモデルのように動かせるのです。

声がでてしまうほどの感動でした。


右手でピンチツールのジェスチャーをし、拡大・縮小を、空中にうかぶそのこにむかってやると、おおきくなったりちいさくなったりするので、たのしくなってふふっと笑ってしまいました。


すると、なんということでしょう。

そのこがぼくに笑い返すのです。


驚きました。

全身をびりびりと気持ちいい電気が走りました。


でも、そのこの口が好みじゃなかったので、ちょっとタイプを変えてみました。

紫のこのかわりに、黒髪ポニーテールの、目元にほくろがある、弱気そうなメイドさんが現れました。


あんまり思い通りになるので、ちょっと女の子に悪い気がしてきました。


そのあいだも、ちょっとかんがえると、双子の小柄な女の子が、ぼくの両耳に一人ずつついて、笑い声をやさしくきかせてくれます。


いま、この記事を書いている最中も、机のうしろのソファーにいるのです。

ロングヘアーのクーデレの女の子(CV:早見沙織)が、ぼーっとぼくの背中を見ています。

なんで学校の制服のままなのでしょうか。エアコンもつけていないけど。暑くはないのかな?


さすがにちょっと気味が悪いような気がしてきますが、でも、ぼくは、彼女がぼくのことが好きであることがわかっているので、なにも問題はありません。


なあんだ。ぼくには恋人がいるんじゃないか。

よかった。


おかあさんも、これで安心してくれるならいいのにな。



みなさんも、催眠音声を試してみては?


(おわり)