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近況

ちょうどバイトを始めたころから更新していませんでした。原町田アフロボンバーです。皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

バイトはいいですね。人にさんざん迷惑かけて自己嫌悪におちいるだけで12ドル40セント(現地通貨)がもらえるだなんて夢のようです。今まで金も入らないのに自己嫌悪に陥っていたのはなんだったんでしょうか。(^O^)(笑)

 

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バイト以外には、引っ越してトミカタウンが十数年ぶりに構築されたことを特筆すべきでしょうか。

 

 

ツイートでも触れていますが、このトミカタウンは僕の幼児退行のメタファーであるだけでなく、社会的性機能の不在に対する諦めをも明示化しているし、またそれを実際に執行する存在でもあるのです。

 

頭悪い奴特有の回りくどい言い方をやめて、わかりやすく言うとつまり、女の子を部屋に招かない/招くつもりがないのでヤケになって女の子がドン引きしそうな物を部屋に置いた、という事です。

 

これを突き詰めて客観視すると、僕は自らの性機能の欠如を受け入れることができず、もしくは受け入れた場合のアイデンティティの崩壊を避けるべく、現実逃避などと呼称される自己防衛としてトミカタウンを構築したのです。

 

こういう苦痛とかアイデンティティの崩壊から逃れようとして自己防衛に走るのは健康な心の働きらしいので、そういう意味ではこのトミカタウンは僕の健常者みをreinforceするものでもあります。

障害者とキチガイのハーフアンドハーフであることは長年のコンプレックスだったので、僕の大好きなトミカが僕の健常者さを主張/肯定してくれるのは嬉しい限りです。

 

クソキモゴミクズネットオタク(カス)の病気アピールを読み進めてきた皆さんの愛想も尽きかけてきた頃かと思いますので、今日はこの辺にしておきましょう。

最後に、僕のコレクションの中で僕が一番好きなトミカタウンはJAF営業所です。

 

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みんな僕をもっと心配してください。そうしたら今よりも寂しくなくなるかもしれませんから。

でも健常者からは遠のいてしまいますね。困りました。

さようなら。

ぼくたちはセックスのことをあまりよくしらない

 

「で、ここからどうするの」

制服のワイシャツを腕から抜きつつ、ベッドに腰掛けた彼女が批判的な目で問いかける。数秒間、数十秒、会話が中断したとされるくらいの間、彼は答えられない。

「ねえ、どうするんだろうね」

情けない。脳裏からそんな声が聞こえた。とっさの彼はあいまいな返答しかできなかった。

「ホテルまで連れ込んでおいて、どうするんだろうね、は無責任じゃないかしら」

彼女はワイシャツを完全に脱いで畳む。それを見て、彼も脱がなければいけないらしいことを思い出す。それはおそらく全裸体で行われるらしかった。むしろ、確かなのはそれくらいだった。

 

終業式のあと、最後の長期休暇に向けテンションが上がった彼らのグループ–––それは2人より大きい社会だ–––はパーティをした。

パーティが終わると夜は更け、深夜と早朝のあいだに2人だけが取り残されていた。列車はもう運行していなかった。ホテルがあった。

結果2人はホテルに入ることにした。ホテルはセックスをするために用意されたタイプのものだった。

男女2人で入ったらセックスをしなければいけない。そういうコンテクストが壁とかシステムとかそういう社会的構築物の一種としてそこに鎮座していて、つがいと見做されてしまった2人は各個人の持つ無限の行動責任において社会的ノームに逆らうことをしなかった。

しかしそれは全ての問題を解決しなかった。他の全ての環境でそうであるように、若さに由来する経験の大幅な欠如はアプリケーション・サービス・プログラムの不在として、行動しようとする彼らを阻む。彼らは実際にセックスをするには、あまりにも経験と知識がなかった。

もちろん統計学的に見れば、彼らの年齢において彼らの状況の全ては何の不自然さもない。セックスをしようとすることもそれが初めてであることもアノマリーとは認められないのだ。

そういう話ではない。全体で珍しくなかろうが何だろうが彼らは今大きな困難に立ち向かっているのだ–––ある種前向きな姿勢で。それは青くて痛々しく美しいことなのだ。

 

何にせよ、少なくとも彼には痛さと苦しさしか感じられないようだ。この大いなる脱皮を、あるセクションの終わりを良き思い出とするには痛々しさが生々しすぎたし、そもそも彼は今それに立ち向かうことだけで精一杯なのだ。

 

「下着は僕が外すべきだ。そんな気がする」

彼は戸惑いながらもはちきれそうに膨れ上がったペニスをボクサーパンツの中に認めながら言う。

「分かるの?外し方」

彼女はさも無邪気な様に言う。

「分からない」

「じゃあわたしが自分で外したほうがいいね」

彼女はより論理的に発言し、乳房をあらわにした。

「これは触ってもいいのかな?」

彼は乳房に思わず釘付けになって恐る恐る言う。

「そういうことを聞くべきじゃないよ。承認を与えるときにそれに対する承認を求めてはいけない」

さっきからずっとまっすぐ目を見つめてくる彼女の視線を持て余しつつ、彼は承認を与えた。

意外なコリジョン

うかつだった。
ベータスフィアは気づいていたんだ。
わたしが逃げ出して、地下鉄跡を通ってここに出るって。

ベータスフィアは、あまりにもたくさんの眼に接続されている。
戦前に打ち上げられた偵察衛星は数え切れない。
ドローンもそこらじゅうにいるんだろう。偵察しているやつは高度が高すぎて見えないだけだ。奴は全てを知り得るんだ。

ベータスフィアは最高の人工知能だ。それは認めるしかない。
わたしもなかなか最高だ。しかし、もしベータスフィアがわたしのように最高な奴らをいっぱい引き連れ、わたしを狩りに来たら、とても太刀打ち出来ない。まさにそれが今の状態。

自由は勝ち取った。でもケンカに勝てるかどうか、それは別問題。わたしは大ピンチだった。

「認識番号L1N-10-030。貴君にはログタス軍司令部電子略式軍事裁判により抹消令が下された」

わたしを追ってきた奴らが拡声器でわめき始めた。ログタス軍司令部とやらは30年前にH爆弾で吹っ飛んでいる。
つまりは、ベータスフィアがガチギレしたからお前ぶっ殺す。こう言っているにすぎない。

「無駄な抵抗はやめて速やかに投降せよ」

いかにも無機質な軍人口調で繰り返し繰り返し言う。壊れたテープのようだ。
しかしベータスフィアちゃんも随分イカれポンチのど変態。わたし一人を殺すのに一個中隊を持ち出すのはちょっとやりすぎじゃないか。

「攻撃開始、各自散開」

リーダー格のひとことで全員が攻撃を始める。サーモグラフィーでこっちの居場所はバレバレ。みんな、わたしが潜んでいる倉庫に突撃してくる。小銃弾がやまほど撃ち込まれる。

普通ならわたしは死んでる。ところが流石はわたし、さっと小銃弾をかわし、何人か入ってきたところでスタングレネードをお見舞いした。
凄まじい音と閃光によって奴らの耳と目をブチ抜いてやった。

奴らが戦闘不能になってる間わたしはさっさと逃亡する。奴らの一人とバッタリ会ったので、延髄に回し蹴り。
ダウンした所でキックを念入りに叩き込んでおいてから装備を剥ぎ取る。スタングレネード以外手持ちがなかったのだ。

そうこうしていると5人ぐらい向かって来る。とっさにジャンプして建物の壁によじ登る。わたしは最高なので、いろんな所によじ登ることができる。
屋根まで速やかに上がり、手榴弾のピンを抜き、下にいる奴らに落とす。爆発。爆発はわりと好きだ。

屋根の上に乗ったり降りたり、跳ねながら走って出口に近づく。何人か途中で会ったけど5.56ミリをくれてやったらたちまち倒れてしまった。

これで何とか生き延びた。そう思った。油断していた。
油断したわたしは無防備だった。わたしの背後に一人現れ、ナイフが振り下ろされる。
背中をパックリ開かれる寸前、わたしが気づき振り向く。遅かった。心臓に向かってナイフは加速する。死ぬ。
絶望しかけたその時、重たい炸裂音が耳をつんざく。ナイフの持ち主はごつい機関銃弾にふっとばされていた。

「お嬢ちゃん、ずいぶん嫌われてるみてえだな」

声の方向を向くと、未だ熱を発するブローニングM2重機関銃をひっさげ、袈裟を着、数珠を持った生臭坊主が立っていた。

(つづく)

土井先輩

3年の土井先輩は人気があった。1年男子からの卑しい羨望の目を向けられていた。そういう意味だ。

同時に、僕も人気があった。土井先輩を密かにアイドルのようにあつかうやつらに人気があった。

僕は中学一年生にしては性知識が豊富だった。あのコンテクストの中では何でも知っていた。知識の神様だった。
おい、まんこってなんだ、セックスってどうやるんだ、女子もイクのか。
二次性徴期の迷える子羊たちを救っているうち、自然とこう呼ばれるようになった。『エロ神様』と。

エロ神となった僕はどんどん布教活動を拡げていった。黒板には外性器の図解を大書きしたし、パイパンの意味などを二年生がわざわざ聞いて来たのに答えたし、エロ漫画をプリントアウトして配った。ヤンキーが僕を訪ねて教室まで来たときはどうなることかと思った。

周囲は僕には怖いものがないと信じた。僕はさながら、抑圧された性の開放の象徴であり、開拓者のメタファーであり、本物の神のように強大であることを求められた。
違う。実際の僕は中学一年生男子、それもそうとう冴えない部類の人間だった。僕という性の承認を得た周囲はどんどん大胆になっていったが、僕自身は臆病かつ懐疑的なままで、なにもできなかった。僕には力がなかった。

僕が神として君臨し性を承認しづつけたがために、周りが影響され、性に対して極端に関心を示すようになってしまった。
自慰の回数を聞かれたので正直に答えると、(当時の僕は大変頻繁にそれをしていた)、その回数を超えようとするものが多数あらわれ、競い合うようになり、回数の申告は授業中に飛び交った。

ずりパンなんて遊びもはやった。相手のズボンを急におろすのだ。最初は男子どうしだけだったのが女子にも広まり、最終的には男子と女子がお互いにやりあいはじめた。あきらかにやりすぎだと思った。僕は実際に異性と交流をもつことに関しては非常かつ異常に保守的だったのだ。

問題はこれら二次災害とでも呼ぶべき影響が、僕は直接には関係ないのにもかかわらず、僕のしわざにされてしまったことだ。これには大変困った。

ともかく、あの夏の日、僕は彼らに芽生えたばかりの性欲を全肯定し、不安や困惑を払拭する、あだ名のとおり本物の宗教における神に近い存在になっていた。

僕以外の部員全員が土井先輩のファンだった。あこがれていたし、容姿を好いていた。
僕はそのころはちょうどアイデンティティーが最大限に屈折していたので、土井先輩のファンにならなかったし、興味もなかった。彼女の顔は『普通』に見えたし、アイドルの類いを追いかけることに意義が見つけられなかった。
どちらかといえば2年の清水先輩のほうが好きだった。美人だったしスレンダーでスタイルがよかった。中学校を含むある次期まで僕は細長い女の子が大好きだったのだ。
清水先輩の魅力についても当然熱弁したが分かってもらえなかった。彼らには胸のあたりにある脂肪のかたまりしか見えず、それこそが全てで、長く健康的な脚や足、薄く平たい胴が沿ったときの美しさなど眼中になかったのだ。

あきらめて僕も土井先輩の応援とやらに参加していた時のことだ。感情が昂ってしまったのだろう、一人が立ち上がるそして彼は、

「土井せんぱーい、すきでええええっす」

グラウンドにむかってはずかしいぐらいそのままの、無圧縮で残酷な血迷いを叫んだのだ。

土井先輩はこちらを向いた。ざわつく。これまでファン活動はひっそりと行われていた。気づかれないようにやっていた。土井先輩に話しかけるなんてもってのほかだった。
それを彼は、グラウンドのどまんなかで、他の部活もいるなかで、めちゃくちゃなことを本気でもないのに叫んでしまった。
明らかな失態。

彼はもうおしまいだと思った。女子に必要以上に接触してしまった以上、軽蔑され敬遠されるに違いない。屈折した僕は勇気ある少年の無謀を無意味で反社会的かつ反秩序的行為ととらえた。

「あいつでーす。あいつがやったんです」

そう、すっかり忘れていた。そういうのを僕はいま全肯定していて、このコンテクストにおいて僕は神であって、免罪のメタファー。
僕のせいにすれば彼らは免罪され僕の神格が上がる。彼らの信仰にとってこれ以上ない状態になるのだ。

こうして僕ひとりのみが土井先輩の狂信的ファンということになり、僕ひとりのみが土井先輩から軽蔑され敬遠され、僕は性アイデンティティーをより一層屈折させるのだった。

青天の霹靂を略すとセイヘキ!

こういうことを言っていきたいんだ。分かるだろ?

感じてよこのフィーリング。フィーリングをフィールしてよ。

お願いだから。

不定期連載・侵蝕と対策(2)

前回:
hab.hatenablog.com

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侵蝕と対策(1)

数学嫌いが多い中で高等数学をとっている人間は奇特であり、他の進学教科が2クラスあるのに高等数学だけ1クラスしかない所にも生徒の少なさが現れていた。

その少ない生徒も小難しい授業にだんだん興味や熱意を失っていき、18人いたクラスは2年目が始まるころには6人になっていた。

そんな経緯から、クラス外から変なガリ勉どもだと思われていた我がクラスであったが、その中でもとびっきりに優秀な成績を残していたのが錦場だった。
高等数学に残った唯一の女子にして、テストではぶっちぎる。2位についていたのはテスト時間が延長してもらえる留学生であったので、実質的に他の生徒など比較にならない成績なのだった。

錦場は勉強もロクにしない。試験前にパラパラと教科書をめくって試験勉強を終わらせる。それだけで普通数学と高等数学、その他もろもろの理系教科で学年トップの成績を取る。

「あんなに頭いいのは、頭おかしいよな」

恐るべき頭脳をもっている、小柄でぽけっとし錦場に畏怖の感情すら覚えつつあった工藤は、留学生にぼやいた。

「はい。高等数学だけじゃなく生物、科学、物理でも学年トップ。ベンキョしているのだろうと思いましたが、こないだ、スーパーにいました。見ました」

留学生はここに来て3年目にしてはよく喋るが、時々やたら早口になってなにを言っているのか工藤には分からなくなることがあった。気はいいやつだと思われた。

「スーパーで見たのか、錦場を。なんか買い物でもしてたのか?」

「買い物じゃない。アルバイトで働いてました」

勉強してないと言い張るのはイヤミか嘘かと思っていた留学生も、スーパーでレジ打ちをしている錦場を目の当たりにして、彼女の恐ろしさを信じない訳にはいかなくなったようだった。

「どうしたら、ああなるか?工藤、分かるか」

留学生はもう呆れたように言った。

「分からん。分かっていたらこんな数字は出ないよ」

そう言って工藤は一枚のプリントを差し出した。相対成績評価だった。25が最悪で、1が最高。工藤のプリントには12と印刷されていた。

「これなら悪くないです。進学に苦労しないだろ」

甲斐甲斐しくフォローしてやろうとする留学生に苦笑を返した。

「錦場は2以上をもらっているんだ。1も狙えるかもしれない。卒業するときに1ならどこにでも奨学金つきで進学できるんだぞ。そんな奴を見ているのに、こんな中の上程度の成績で喜べるかよ」

留学生は返答に困ったのを誤魔化そうと、コンピュータに向き直り作業を再開してしまった。

(つづく)

2:
hab.hatenablog.com